「withコロナ」世代が得た学び~慶應義塾大学メディアコム修了式から~

2023年3月17日、慶應義塾大学メディア・コミュニケーション研究所(以下メディアコム)の22年度修了式が、三田キャンパス南校舎ホールにおいて開催された。40名が修了し、4月に就職・進学する。

4年生の総代である学生の司会により式は進行した。

まず最初に、李津娥学習指導主任により学事報告がなされた。22年度では、在籍者数62名のうち40名の学生が無事修了した。未修了者を含み26名がメディア系に進み、36名が他の業界に就職もしくは進学する。

その後、修了生には澤井所長により修了証書が授与された。

澤井所長は、式辞の中で、「今ここにいる学生たちは、学部の授業に満足することなく、より多くを学ぼうとメディアコムに入所してきてくれました。そして、こうしてメディアコムを修了したということは、皆さんの実力の証明です。これからもその意欲を持ち、限界を少し超えていって欲しい」と述べた。

綱町三田会の瀬下英雄代表幹事は「かつて日本も経済大国と言われるほど急成長を遂げましたが、現在は様々な課題を抱えています。日本だけでなく、世界も新型コロナやウクライナといった大きな困難に直面しています。特に、今はデジタルの時代ですが、皆さんは、自分で考え、創意工夫するためにデジタルを活用して下さい。例えば、今、流行りのChatGPTは利用しても、決して騙されてはならないと思っています」と述べて、修了生に祝辞と共に励ましの言葉を贈りました。

その後、在校生代表による送辞が贈られ、それに対して、4年生の総代が答辞をした。

4年生の総代は、その中でコロナ禍での学生生活を振り返り、「コロナがなければ、と何度願ったかわからない。しかし、コロナ禍だったからこそ挑戦、実現できたことも多くあった。メディアコムでは、自分の夢のために努力する人、学びに貪欲で前向きな人たちに多く出会い、大きな刺激を受けた。実りある学生生活であったと思う。こうして修了できたことを嬉しく思います」と述べ、式を締め括った。

また、授業を担当した講師たちからも、学生に向けて激励の言葉が贈られ、式はつつがなく終了した。

全体での記念撮影の後、それぞれ集まり、友人同士で写真を撮り合う学生たちの姿が見られた。

彼らがメディアコムに入所した時には考えられなかった光景だ。

22年度に修了した学生の多くは、2020年4月にメディアコムに入所している。

2020年の春は、新型コロナの感染拡大に警戒が呼びかけられていた時期であり、慶大は授業を全面オンライン化して対応した。

3年間で「withコロナ」の時代へと変化し、徐々に対面式の授業も開放されるようになったが、講師と学生が直接会うことが叶わないまま終わりを迎えた授業もあった。

今年度の修了生は、歴史に残るであろうウイルス危機とその回復を経験し、主に制限された学生生活を通して、コミュニケーションの大切さを身に染みて実感してきた。

彼らは春より就職・進学する。それぞれ、未曾有の学生生活で得た学びを活かしていくはずだ。

金子茉莉佳(慶應義塾大学法学部2023年卒)

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