「もし将来、私が組閣する事あらば、官房長官に後藤田正晴氏を当てたいが、了承して欲しい」と頼んだ。田中(角栄)氏は驚いて、「なぜ後藤田氏を所望するか」と尋ねた。私は即座に「行政改革を断行し、又起こるかもしれない大災害や治…
政府・司法の地方自治感覚を問う~沖縄・辺野古訴訟~
最近、国内政治で考えさせられたのは「地方自治とは何か」ということである。沖縄のアメリカ軍基地の移設に伴う名護市辺野古沖の埋め立て工事をめぐる沖縄県と国の訴訟で、沖縄の民意つまり住民投票の結果や、埋め立てに反対する知事の…
“伝説の商社マン”J.W.チャイ元伊藤忠商事副会長の思い出(2) デイナー、そしてチャリティー
私がニューヨークでチャイさんの部下として仕事したのは1994年末から2001年の中頃まででした。その間、伊藤忠アメリカはチャイさんの経営の下、「ニッチ&ロウテク」の会社への投資も成功し、日本の現地法人としてはトップクラ…
感染症対策にも里山のような調和が求められる
■新型コロナ対策で免疫力が低下した この1年の感染症を振り返ってみると、新型コロナ以外のウイルス感染症が急速に広がったように思われる。その理由として考えられるのが、免疫(抵抗)力の低下だ。私たちはウイルスや細菌などの病…
シリーズ “伝説の商社マン” J.W.チャイ元伊藤忠商事副会長の思い出
⑴ 厳しかった日本人駐在員への批判
伊藤忠商事といえば直ぐに思い浮かぶのは小説「不毛地帯」の主人公として有名になった瀬島龍三元会長だろうと思います。恐らくその次に有名なのが当時「巨人たちの握手」と呼ばれたトヨタとGMの提携を実現させ、NHKのドキュメンタ…
故・古市泰宏博士の業績 -ノーベル賞受賞のmRNAワクチン実用化に貢献
スウェーデンのカロリンスカ研究所は、2023年のノーベル生理学・医学賞を、mRNA(メッセンジャーRNA)ワクチンを開発したドイツのバイオ企業ビオンテック顧問で米ペンシルベニア大学のカタリン・カリコ客員教授(68)とドリ…
ノーベル賞 カリコさんとmRNAワクチンはどこがすごいのか
■RNAを医療に役立たせたい 苦労の連続だが、彼女の人生にはドラマがある。10月2日にノーベル生理学・医学賞の受賞が決まった、米ペンシルベニア大学特任教授のカタリン・カリコさん(68)のことだ。 報道を総合すると、カ…
エッセー ”デジタル難民“だった私-7年ぶりの海外渡航-
新型コロナウイルス感染症の拡大は、社会生活における対面の交流を一時的に停止させた。その一方で非接触のビジネスやサービスは利用が急速に拡がった。オンラインでの会議やシンポジウムへの参加は日常的になった。 コロナ禍がようや…
「葬送」 さようなら門田守人先生 わが心の師だった
■「また一杯」と考えていた矢先 その訃報は突然、入ってきた。 9月7日午後5時すぎ、机の上のスマホが鳴った。親しい医療関係者からで、出ると「門田守人(もんでん・もりと)先生が亡くなられたらしい」と告げられた。庭先のキ…