「春の夕」報告 パネルデイスカッション-メディア業界のリアル

 メディア・コミュニケーション研究所(略称・メディアコム)は5月23日、慶応大学三田キャンパスで、パネルディスカッション「メディア業界のリアル」を開催した。「春の夕」は、メディアコムのOB・OGで作る綱町三田会とメディアコムゼミナール委員会との共催で、これまで研究生向けのイベントとして毎年実施していた。メディアコムの知名度アップにつなげようと、今年は3部構成のうち、第2部のパネルディスカッションを全塾生に案内し例年以上に多くの参加者を集めた。

 第1部の模擬面接は、夏のインターンシップを前にした主に3年生を対象に、OB・OGやメディアコムの講師経験者が2人一組で面接官役になって実施した。新聞・通信、放送、広告、出版など7つの会場を設けたが、事前に申し込んだ23人のうち、新聞・通信とテレビ報道の志望者は少数で、広告とテレビの制作、出版志望が目立った。非公開を希望する学生の時間帯も設定され、各自の提出したエントリーシートを元に、本番さながらの緊迫感のあるやりとりが繰り広げられた。

 第2部のパネルディスカッションは、「メディア業界のリアル」と題し、メディアコム以外の塾生も参加できるイベントに衣替えした。登壇したのは、報道、番組制作、出版、広告の第一線で活躍する修了生5人。卒業後5年から7年の若手が、就職活動に向けての心構えや、仕事のやりがい、入社後に感じた業界の現状など、ほかでは聞けない本音トークを繰り広げた。政治部で総理番を務める放送記者は、「テレビ離れと言われるが、全体の視聴者は減っていない。テレビを変えるために放送業界を目指してほしい」とメッセージを送った。出版社の文芸担当者は、企画から出版までの流れや作家とのやり取りを説明しながら、本への熱い思いをアピールした。生活情報番組を担当しているNHKディレクターは、「企画から演出まで自分の思いを形にできるワクワク感がある」と魅力を語った。全国紙の社会部記者は、「面接では分からないことを分からないと素直に言えることが大切。難しい問題への対応が試される」とアドバイスした。広告会社で生活者の価値創出をデザインしている担当者は、自社の新卒採用動画を紹介し、「広告だけでない幅広いフィールドに挑戦できる。自分にしかない個性を大切にしてほしい」と呼びかけた。テンポのいいやり取りが続いて盛り上がりを見せ、質疑応答を含めた2時間はあっという間に過ぎた。

瀬下英雄代表幹事
烏谷昌幸所長

 終了後は西校舎の生協食堂に会場を移し、メディアコムの2年生も参加した第3部の懇談会が開かれた。烏谷昌幸所長は「以前は秋に開催していたが、就活の時期に合わせて春のイベントにしてから参加者が増え、パネルディスカッションでは質問も多く出た。メディア業界を引っ張っている先輩と交流を深めてほしい」とあいさつした。綱町三田会の瀬下英雄代表幹事(66年卒)の乾杯の音頭で幕を開け、現役生とOB・OG約40人が交流した。最後は中村達興さん(83年卒)のエールで参加者全員が肩を組んで「若き血」を熱唱した。
文責・尾崎 敦(毎日新聞)  *写真はいずれも尾崎撮影

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