テレビ番組は、小さい頃から楽しくて、待ち遠しくて、そしてワクワクして見たものだった。齢70を超えた今でも、そんなところがある。私のような1955年生まれは、テレビとともに人生を歩んできた、正真正銘のテレビ世代だ。そのテ…
シリーズ ラジオ100年 Ⅱ ラジオ賛歌
▼身近にあった放送局 郷里・広島県の尾道市には、かつてNHKの放送局がありました。幼いころ、実家の2階の物干し場に上がって、背後にある千光寺山(標高144.2m)を見上げると、山頂付近に放送用アンテナの鉄塔(高さ55m)…
シリーズ ラジオ100年 1 放送記者の誕生
東京・芝浦。JR田町駅のほぼ線路際にひっそりと「放送記念碑」が建っている。説明によると「大正14年(1925年)3月22日、この地にあった東京高等工芸学校の図書室を放送所として、ラジオ第一声を送り出した」とある。「…
「ネット社会を生きる」SNSは殺傷事件まで引き起こす
■「当然だ」「自業自得だ」 立花さんが襲われた、というニュースを伝えるテレビ画面には、頭や首から血を流し、救急車の中で傷口をタオルで押さえる立花氏の痛々しい姿が映し出された。だが、この惨状を見て「当然だ」「自業自得だ」と…
なぜ、私たちは書くのか 誰に向けて書くのか ―いま「記者」を考える―
2022年11月、一般向けに公開された生成AI「ChatGPT」は、瞬く間に私たちの社会を大きく揺るがし始めた。それは「記者」の存在意義にも、深刻な問いを突きつけている。 本稿では記者活動を通じて得た自身の経験を元に…
開かれた番組アーカイブを目指して ~32年目の改革~
横浜駅から地下鉄みなとみらい線に乗って、日本大通り駅で降りる。改札口から出口3に向かい、エスカレーターで地上に出ると、駅に直結した横浜情報文化センタービルの1階フロアーに着く。フロアーの脇にあるエレベータに乗って8階で…
ミニゼミレポート「ジャーナリズムと資金」
近年、あらゆる分野でデジタル化が進み、人々の情報空間も大きく変化した。社会の変化に伴い、人々に向けて情報を発信してきたメディアもデジタル改革を進めている。 多くの人々が情報をインターネット空間で入手するようになった中、…
『探訪 ローカル番組の作り手たち』に託されたもの
朝日新聞記者として長く放送界を取材してきたジャーナリスト、隈元信一さんの著書『探訪 ローカル番組の作り手たち』(はる書房)が今月、出版された。「地方の作り手が元気だ!」と精力的に旅を続けた隈元さんは、昨年秋に末期がんで…
ミニゼミリポート「根室新聞の休刊、そして復刊」
2021年3月31日、根室市に拠点を置く「日本最東端」の地方紙『根室新聞』が休刊した。根室新聞とは、1947年1月6日の創刊以来、市政や北方領土問題、市民活動など、根室の地域に根ざした情報を長きにわたって提供してきた地…