”あと説“という言葉は辞書にはないようだ。だが、しばしば、物事が済んだ”あと”になって解説・説明などを得意げに語るメディアがある。それらの解説・説明を“あと説”としよう。 さて、多くのメディアが今回も選挙期間中を理由に…
名前に宿るアイデンティティ 『千と千尋の神隠し』から考える
♢「いまからおまえの名前は千だ。いいかい、千だよ!」 ロンドンのコロシアム劇場で、舞台『千と千尋の神隠し』を観た。イギリスの大学院に進学することが決まり、渡英して間もなくの休日だった。映画からそのまま抜け出てきたような千…
心臓病の疑いに脅え、おのれの弱さ思い知る
■始まりは背中と胸の激痛だった 私事(わたくしごと)で恐縮だが、68歳のわが身に心疾患の疑いが出て検査入院した。先に結論から言うと、重大な病ではなかったのだが、止まれば命を失う心臓だ。それだけに死についていろいろと考えさ…
ローマ・カトリック教会教皇にアジア出身者実現の布石か?
「教会の宣教する使命の中心は欧州からグローバル・サウス(主に南半球の新興国・発展途上国)の地域に移行し、それが今回の任命にも表れています。日本、アジアへの祝福です。」――新たに21人叙任された枢機卿の中に、日本の菊池功東…
『日航・松尾ファイル』の出版(番外編2) 遺族を苦しめる陰謀論は許せない
■遺族の反応が気になった 先日、「8・12連絡会」の美谷島邦子(みやじま・くにこ)さんと電話で話した。美谷島さんは、9歳になる小学3年の次男を1985年8月12日に起きた日航ジャンボ機墜落事故で亡くし、事故直後から遺族で…
ドナルド・トランプの陰謀論政治
ここ最近、寝ても覚めてもドナルド・トランプのことばかりを考えている。といっても、彼の熱狂的なファンになったからではない。彼についての研究をするようになり、関連する書籍やニュース記事、論文を連日読み漁るようになったからだ…
『日航・松尾ファイル』の出版(番外編) 組織のゆがみが事故を招く
■メカニックの修理ミス 新聞記者時代から感じていたことだが、組織がゆがむと、事故が起きる。拙著『日航・松尾ファイル』で扱った航空史上最悪の日航ジャンボ機墜落事故もそうだった。 事故機(国籍・登録番号JA8119)は7年前…
エッセー アジア的な視点からみる日本の神社
神社はてっきり、日本固有のものだと思っていたが、どうもそうとばかりは言えないようだ。韓国の信仰の聖地である堂(たん)、沖縄の御嶽(うたぎ)などを訪ねてみると、驚くほど神社に通じ合うものがある。 神社というとまず鳥居と、狛…
製薬会社リストラの背景 ~スタートアップベンチャーによる創薬~
2024年5月以降、武田薬品工業や協和キリンなど、国内の製薬企業が相次いで退職者を募集すると発表した。その退職者の募集に当たっては、研究開発部門の従業員を対象に含むケースが目立つ。この背景には、“医薬品の研究開発のあり…
『日航・松尾ファイル』の出版(下) そこに中曽根政権の思惑があった
■日航は加害者ではなく、被害者だ 拙著のサブタイトル「日本航空はジャンボ機墜落事故の加害者なのか」に違和感を持った方も多いと思う。この私も墜落事故を起こしたのは日航で、日航は加害者だと考えていた。しかし、御巣鷹山のあの墜…