「大学生活を彩る温かな居場所だった」 メディアコム終了式

 慶應義塾大学メディアコミュニケーション研究所の卒業生組織である綱町三田会は研究所の修了式後に、年次総会を三田・西校舎516教室で開催した。2026年度事業計画など4議案について参加者の皆さん全員の承認を受けたあと、研究所の研究生と共に10年余り続けてきた「ミニ・ゼミ」の今後のあり方について議論した。研究所の修了式には綱町三田会の尾崎敦氏が出席、祝辞を述べた。修了式と懇親会の模様を報告して貰った。(注:メッセージ@pen編集委員会)
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 メディア・コミュニケーション研究所の2025年度修了式が3月19日、慶応大学三田キャンパスの北館ホールで開かれた。学部と並行してメディアに関する科目を修得した今年の修了生は、昨年9月の卒業者を含めて男性27人、女性37人の計64人。所属学部では文学部28人、法学部政治学科17人、経済学部と法学部法律学科がともに8人、商学部が3人だった。
 修了式では、津田正太郎学習指導主任から、在籍者72人のうち64人が修了したと学事報告があった。未修了者を含む進路・就職内定状況をみると、半数を超える38人がメディア系の企業への就職が決まっている。内訳は新聞・通信社は5人で、民放は地方局を含めて10人。インターネット広告を含めた広告業界は9人で、出版は1人。34人は他の業界に就職するか進学など。24年度は在籍者64人のうち31人がメディア系企業に就職したので、昨年よりメディア系に進む割合がやや高くなった。
 烏谷昌幸所長から、8人の欠席者を除く修了生全員に修了証書が授与された=写真。烏谷所長は「学部のゼミと合わせて二つの論文を書いた研究生もいて、最後までやり遂げた努力に敬意を表したい。皆さんは社会に出てからも学び続けるが、難問にぶつかった時、どうすれば民主主義を守っていけるかを考える人であってほしい。身につけた知識やスキルを何のために役立てるかが重要で、自分が正しいと胸を張れるもののために、知識や経験を役立ててほしい」と式辞を述べた。
 毎日新聞の尾崎敦メディア・コミュニケーション研究所講師は祝辞の中で「4年前のロシアによるウクライナ侵攻以降、国際法を無視した大国の暴挙を目の当たりにして、何が正義かわからなくなってしまった。予測不能な変化が起きる中、メディアコムで学んだ確かな視点で物事の本質を見極め、分断と対立から協調と連帯、納得と共感の社会を築いていってほしい」と励ましの言葉を贈った。
 在校生を代表して青島百花ゼミナール委員会前委員長が「ゼミでの指導や、歩みを止めずに力を尽くす先輩の姿に憧れを抱いていた。個性豊かで情熱にあふれた先輩が築いてくれた温かいつながりを、次の代へとつなげるように励んでいきたい」と送辞を述べた。
 修了生を代表して文学部の𠮷岡更紗さんが3年間を振り返り、「ゼミでの研究で多くの人に話しを聞くことを通じ、自分の体験したことを社会に伝えたいという思いがジャーナリズムの原点だと気づいた。マスメディアの将来は悲観的に語られることが多いが、AI(人工知能)が簡単に文章や映像を作れる時代だからこそ、感情を持った人間が発信する価値は高まると信じている。メディア不信が社会問題とされる中で、メディアコムで学んだ意義は大きい。どのような進路を歩むにせよ、私たちの学びはこれらも続いていく。メディアコムは大学生活を彩る温かな居場所だった」と思いを語り、感謝のメッセージで締めくくった。
 また、授業を担当した10人の講師がマイクを手に、修了生に向けて心温まるメッセージを贈った。

 終了後、南校舎4階のザ・カフェテリアに場所を移してOB・OGで作る綱町三田会メンバーとの懇親会が開かれた。乾杯に続いてゼミごとに修了生の自己紹介が行われ、ゼミ合宿での思い出や、それぞれの進路への抱負を語った。最後に肩を組んで「若き血」を熱唱し、宴を締めくくった=写真。                
尾崎敦(毎日新聞)

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