< ♬ ここは 串本 向かいは大島 ♬ >で有名な串本節は、大阪毎日新聞記者だった 矢倉広治さんが和歌山県南部の民謡に作詞し、昭和初期に全国的に流行させた。この映画が制作される発端はその串本町(旧大島村樫野)の寺で手紙が…
<シネマ・エッセー> アメリカン ドリーマー
1981年といえばレーガン大統領がワシントンの路上で狙撃され、ロスアンゼルスで三浦和義の妻の一美さんが銃撃される事件があった。ベトナム戦争の残酷さを描いた「地獄の黙示録」や「プラトーン」「ディアハンター」などが上映された…
<シネマ・エッセー> ベル&セバスチャン
アメリカのテレビドラマ・シリーズで一世を風靡した「名犬ラッシー」は、日本では1957年から10年近く放映された愛犬物語だった。この映画も、フランスで評判を取ったテレビドラマの映画化で、アルプスの寒村に住む孤児セバスチャン…
<シネマ・エッセー> 夏をゆく人々
ジェルソミーナと言えば、フェデリコ・フェリーニの名作「道」(1954年)を思い出す。道化の格好でトランペットを吹く旅芸人の少女(ジュリエッタ・マシーナ)と、悲しげな曲が耳に残っている。昨年のカンヌ国際映画祭でグランプリを…
<シネマ・エッセー> ルンタ
ヒマラヤを仰ぐ仏教国チベットは、長い間鎖国を守る”禁断の国”であった。 1950年、そのチベット全域を中国は武力で併合。9年後、中国の侵攻に対して「チベット動乱」が起き、最高指導者だったダライ・ラマ14世はインドへ逃れ、…
<シネマ・エッセー> 沖縄 うりずんの雨
監督のジャン・ユンカーマンは1952年アメリカ・ミルウォーキー生まれだが、17歳のときに慶應義塾志木高校に留学したのち、スタンフォード大学卒業という経歴の持ち主で、『劫火・ヒロシマからの旅』(1986)や『映画 日本国憲…
<シネマ・エッセー> 悪党に粛清を
映画が活動写真と言われた戦前、大阪の場末に「ヤマト館」という洋画専門の小さな映画館があった。小学生のくせに映画好きだった私は、お小遣いの50銭玉を握ると、歩いてそこへ行くのがもどかしく、いつも走っていたのを今でも思い出す…
<シネマエッセー>パリよ、永遠に
半世紀をへだてて制作された、同じテーマの映画を見た。第2次大戦末期、ドイツ占領下のパリ解放をとり上げた独仏合作『パリよ、永遠に』(2014年制作・原名Diplomatie )と、仏米合作『 パリは燃えているか?』(196…
<シネマ・エッセー> 皆殺しのバラッド
メキシコと言えば、トランペットが陽気に鳴り響くマリアッチの演奏を思い浮かべる。しかし、この映画で流れるのは、あの底抜けに陽気なメキシコ音楽ではなく、バイオレントで刺激的な「ナルコ・コリード」のリズムである。『片手にマシン…