私がイスラエル政府奨学金を得て、エルサレムのヘブライ大学に留学したのは、1973年6月であった。私が降り立ったテルアビブの空港は、「日本赤軍」による銃乱射事件が、その前年に起きていた(1972年5月)。「ロッド空港乱射…
TV60年 デジタル時代でも不変のもの──NHK報道カメラマンの追憶
3・11東日本大震災、NHKの鉾井喬カメラマンは、仙台空港で地面から突き上げられ揺さぶられる大地震に見舞われた。空港に大津波が押し寄せる前に間一髪で逃れたNHKヘリコプターは鉾井カメラマンを乗せて空港を離陸し仙台平野の…
NHKカメラマンの追憶──ENG改革の衝撃
ベトナム和平協定(1973.1.)が成立の日、私はサイゴン(現ホーチミン)の中心にあるノートルダム大聖堂から祝福の鐘が鳴り響く広場で「やっと平和が来る」と安堵と一抹の不安も残した市民の表情を追って収録していた。その中に…
旅と人間(最終回)━ 希望の光のなかで━
大きな宇宙にたいして人間を〈小宇宙〉と呼ぶこともできるが、人間は、人びとのなかで、自然のまっただなかで、大地や環境、さまざまな対象や事象と結ばれた状態で、身心を委ねることができる人間的世界やトポス、場所やホドス、道をか…
アフリカ「10億人市場」の素顔②–「コンパウンド」の暮らし
「最後の巨大市場」として注目を集めるアフリカ。経済誌などでは高い経済成長率や都市のにぎわいが強調されるが、そこに集まる人々はどのような暮らしをしているのか。ザンビアで都市人口の半分以上が暮らすといわれるコンパウンド(未…
NHK報道カメラマンの追憶(上)――南極観測船「ふじ」に同行取材して
日本南極観測の昭和基地が再開されたのは、半世紀前の昔話である。 日本の南極観測は1956年南極オングル島に昭和基地が建設されて観測が始まった。しかし日本と南極を航海した海上保安庁の観測船「宗谷」は老朽化し2度も氷の海に…
NHK報道カメラマンの追憶(下)――氷を割って昭和基地へ
「ふじ」は3年ぶりの昭和基地再開に向けて暴風圏を乗り越えて進んだ。観測隊員、艦の乗組員に緊張と期待が走った。 南極観測船は砕氷艦である。どれくらいの氷の厚さを砕いて進めるかが、船の能力、性能である。これをどう映像で表現…
慶応義塾大学新聞研究室の創設と板倉卓三、米山桂三
慶応義塾大学における第一世代のマスコミュニケーション研究と教育は、専ら、福沢のジャーナリズム活動、なかんずく時事新報の隆盛を背景としたジャーナリズム倫理、ジャーナリスト育成にあった。 明治31年5月、法科・文科・理財科…
旅と人間──トポスとホドス──西田幾多郎と和辻哲郎
哲学者、西田幾多郎は、人間にとって真の環境は世界だという。時間的空間的世界、歴史的社会的世界、人格的世界、日常的世界が姿を現す。 倫理学者、和辻哲郎は、人間を間柄存在として理解したが、根本的空間、定位された空間、環境的…
NHK報道カメラマンの追憶――動乱・戦争取材の記憶をたどって
何でまた。どうしてそんな危ない所に。両親はそのつど故郷(大阪)の氏神様のお守りを送ってきた。家族、親兄弟には心配をかけた。地球上ではこんなことが起こっている。それを映像で知らせたい、知ってもらいたい、という気持ちを駆り…