大きな宇宙にたいして人間を〈小宇宙〉と呼ぶこともできるが、人間は、人びとのなかで、自然のまっただなかで、大地や環境、さまざまな対象や事象と結ばれた状態で、身心を委ねることができる人間的世界やトポス、場所やホドス、道をか…
アフリカ「10億人市場」の素顔②–「コンパウンド」の暮らし
「最後の巨大市場」として注目を集めるアフリカ。経済誌などでは高い経済成長率や都市のにぎわいが強調されるが、そこに集まる人々はどのような暮らしをしているのか。ザンビアで都市人口の半分以上が暮らすといわれるコンパウンド(未…
NHK報道カメラマンの追憶(上)――南極観測船「ふじ」に同行取材して
日本南極観測の昭和基地が再開されたのは、半世紀前の昔話である。 日本の南極観測は1956年南極オングル島に昭和基地が建設されて観測が始まった。しかし日本と南極を航海した海上保安庁の観測船「宗谷」は老朽化し2度も氷の海に…
NHK報道カメラマンの追憶(下)――氷を割って昭和基地へ
「ふじ」は3年ぶりの昭和基地再開に向けて暴風圏を乗り越えて進んだ。観測隊員、艦の乗組員に緊張と期待が走った。 南極観測船は砕氷艦である。どれくらいの氷の厚さを砕いて進めるかが、船の能力、性能である。これをどう映像で表現…
慶応義塾大学新聞研究室の創設と板倉卓三、米山桂三
慶応義塾大学における第一世代のマスコミュニケーション研究と教育は、専ら、福沢のジャーナリズム活動、なかんずく時事新報の隆盛を背景としたジャーナリズム倫理、ジャーナリスト育成にあった。 明治31年5月、法科・文科・理財科…
旅と人間──トポスとホドス──西田幾多郎と和辻哲郎
哲学者、西田幾多郎は、人間にとって真の環境は世界だという。時間的空間的世界、歴史的社会的世界、人格的世界、日常的世界が姿を現す。 倫理学者、和辻哲郎は、人間を間柄存在として理解したが、根本的空間、定位された空間、環境的…
NHK報道カメラマンの追憶――動乱・戦争取材の記憶をたどって
何でまた。どうしてそんな危ない所に。両親はそのつど故郷(大阪)の氏神様のお守りを送ってきた。家族、親兄弟には心配をかけた。地球上ではこんなことが起こっている。それを映像で知らせたい、知ってもらいたい、という気持ちを駆り…
慶応義塾における「ジャーナリズムへの関心」事はじめ
ジャーナリズム活動は、福沢諭吉の手がけた主要な事業の一つであった。明治6年(1873年)森有礼によって提唱された「明六社」は、福澤諭吉のほか西村茂樹、津田真道、西周、中村正直、加藤弘之、箕作秋坪、箕作麟祥らが加わって活…
旅と人間/時は過ぎゆく ―福沢諭吉とともに―
家でということは、安心してくつろいで、ということだ。旅に出るということは、なかば冒険するということであり、旅にはさまざまな不安がつきまとって離れないが、それでも旅の喜びと楽しみは、大きい。旅に出た時、自分が別人になった…
元NHKカメラマンの回想ーシージャック事件
私は1969年9月末、再び広島へデスクとして転勤になり、広島及び管内局までのカラー放送を実施した。 1970年5月12日の午後、波静かな瀬戸内海で定期旅客船が乗っ取られ、さらにその犯人川藤展久(当時20歳)が射殺される…