新国立競技場が現行デザイン案のまま総工費2520億円で建設されることが決まった。6月29日の2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会の調整会議で下村博文・文部科学相から報告された。詳細は7月7日に事業主体である日本…
「メディア・ナショナリズム」を考える 〜慶應義塾大学綱町三田会ミニゼミから〜
5月20日、2015年度初回の綱町三田会ミニゼミが、慶應義塾大学三田キャンパスで開かれた。今回設定されたテーマは「メディア・ナショナリズム」である。「メディア・ナショナリズム」とは、「マスメディア、およびインターネット…
新刊紹介「日本の森列伝ー自然と人が織りなす物語」
日本は森林大国である。国土の3分の2が森林に覆われている。フィンランドにトップの座は譲るが、ノルウェーとほぼ肩を並べる。先進国の中でも群を抜く高さだ。しかも、日本列島は南北に長い。南には亜熱帯の樹木が茂る。北上するにつ…
<シネマ・エッセー> ルンタ
ヒマラヤを仰ぐ仏教国チベットは、長い間鎖国を守る”禁断の国”であった。 1950年、そのチベット全域を中国は武力で併合。9年後、中国の侵攻に対して「チベット動乱」が起き、最高指導者だったダライ・ラマ14世はインドへ逃れ、…
「MERS(マーズ)」 これこそ知識を持って正しく怖がれ
飲食店での豚の生レバーの提供が、6月12日から禁止された。この日、テレビのニュース番組は「今日から提供禁止」と放映し、最後の豚のレバ刺しを食べようとする客でにぎわう前夜の居酒屋の様子も流していた。 居酒屋が普段の倍の…
「 絶歌」出版の問題を考える
神戸連続児童殺傷事件の犯行当事者である「元少年A」の手記『絶歌』が出版されて、ひと月弱。やや落ち着いてきたとはいえ、この手記の出版に対する反応の際だったところは、その内容や記述への論評もさることながら、出版そのものを問…
水深44mからのメッセージ ~KBS77日闘争から何を学ぶ~
2014年5月29日午前5時、韓国放送公社・KBSの2つの労働組合がストライキに突入した。キル・ファンヨン(吉桓永)社長の解任を求めた無期限の全面ストライキであった。キル社長は、大統領府青瓦台の圧力を受け、旅客船セウォル…
特定機能病院の取り消し どこか「たが」が緩んでいませんか
医療安全に問題があるとして厚生労働省は群馬大病院と東京女子医大病院の「特定機能病院」の承認を6月1日にも取り消す。特定機能病院は高度な医療を安全に提供できると厚労省から〝お墨付き〟を与えられた施設で、全国に86病院ある…
不思議な組織「イスラーム国」:モヤモヤ感の不気味さ
『国家』を名乗る存在が、国際政治全体を脅かす 不思議な組織「イスラーム国」(IS)が、中東の政治的現状を論理的に分析できなくしている。著名な中東専門家の一人である酒井啓子氏(千葉大学教授)は、その状況を次のように表現して…
<シネマ・エッセー> 沖縄 うりずんの雨
監督のジャン・ユンカーマンは1952年アメリカ・ミルウォーキー生まれだが、17歳のときに慶應義塾志木高校に留学したのち、スタンフォード大学卒業という経歴の持ち主で、『劫火・ヒロシマからの旅』(1986)や『映画 日本国憲…